鉄道会社は不動産で稼いでいる?

私鉄を中心とした鉄道会社が今力を注いでいるのが不動産事業です。これまでも自社の沿線上にホテルやマンションの建設を行うことはありましたが、最近は少し事情が違うようです。どういうことなのか詳しくみていきましょう。

鉄道会社が不動産で稼ぐ時代

関西私鉄大手の阪急阪神系の阪急阪神ホテルズは六本木、東京京橋、銀座と次々にホテルをオープンさせました。
大阪から和歌山までをつなぐ南海電鉄は、沿線とは無関係な東京にホテル進出を果たし、東京から神奈川方面に路線を持つ京王電鉄は赤坂や札幌、京都に観光メインのホテルをオープンさせています。
都内に限らず地方にまで鉄道会社がホテルをオープンさせているのには理由があります。沿線人口の頭打ちによって乗降客数の増加が見込めないばかりか減少している現状では鉄道会社の近年における経営状態は厳しく、運賃収入だけでは経営が成り立たないのです。
民間企業とはいえ鉄道事業は生活インフラのため、運賃の改定は容易ではありません。そこで稼ぎ方をシフトしてきたというわけです。インバウンドを中心としたホテル収入だけでなく、賃貸マンションの建設によって賃料収入を得るといった取り組みをするところもあります。

不動産事業を柱とした時代が来る?

鉄道会社最大手のJR東日本の2017年度売上は2兆8808億円でしたが、そのうちの10%にあたる2805億円は不動産関連収入でした。
不動産業界でこれよりも大きな売上を上げたのは三井不動産、三菱地所、住友不動産の3社のみです。
しかし、売上に占める割合でみた場合、JR東日本は決して突出した存在ではありません。
JR九州は売上の17%、阪急阪神電鉄は14%、東急は15%が不動産収入です。

前述の通り、鉄道事業は生活インフラのため不採算路線があっても廃止できず、別の収入源によって補填する必要があるのです。
東急に至っては電鉄事業を分社化し、東急電鉄から「東急」へと社名変更まで行っています。これは今後、不動産事業を柱とした経営を行うという方針の表れといえるでしょう。そもそも東急は街の開発を行う会社であり、開発の一環として鉄道事業に取り組んでいたため、元の姿に戻ったという考え方もできます。

まとめ

沿線人口の増加が見込めず経営に影響が出ている中、多くの鉄道会社がホテルや賃貸マンションなどの不動産事業にシフトしています。経営基盤を固めるためにも今後、安定的な収入が見込める不動産事業の収入割合は増えていくと予想されます。

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