百貨店の地方進出はスタイルの見直しがカギとなる

衣食住のすべてが揃うといわれる百貨店ですが、業界全体で売上が減少しています。
1990年代には300ほどあった店舗数も、半分近くまで減少してしまいました。
そこで新たな取り組みをする百貨店が出てきたのです。今回は地方都市への進出を展開する百貨店についてご紹介しましょう。

これからの百貨店は地方展開が活発に

百貨店大手の三越伊勢丹ホールディングスが「全国の地方都市に40〜50店舗を展開する」との発表を行いました。
百貨店といえば重厚感のある大型店舗を構えているイメージがありますが、長引く不況や少子高齢化に伴い業界全体で売り上げが減少、閉店が相次いでいました。
そこに新型コロナウイルスの感染拡大が加わり、方針転換を余儀なくされたのです。
三越伊勢丹では地方の富裕層に焦点を定めたのでしょう。
とはいえ、従来の百貨店は1店舗立ち上げるのに数百億円規模の投資が必要でした。
来店者数に限りがある地方ではこれまでのような運営スタイルはとても維持できないため、従来の10分の1程度となる300〜600坪ほどのコンパクトな店舗を展開するようです。
売り場の狭い店舗では品揃えに限界がありますが、そもそものサービスについて見直しを行いました。基幹店である伊勢丹新宿本店と日本橋三越、そこに地方店舗をビデオ会議システムでつなぎ、商品紹介や接客を行うことでこれまでと変わらない、質の高いサービスの提供が可能になります。

ポイントは“居心地の良い空間”づくり

ビデオ会議システムといったアイテムを導入することで品揃えをカバーするという新しい店舗形態の展開を目指す三越伊勢丹ですが、現物の商品がない店舗に来店してもらうためにはさらなる工夫が必要です。
今後、百貨店は「第三の場所(サードプレイス)」となれるかどうかがポイントとなるでしょう。
サードプレイスとは、自宅や職場とは離れた心地の良い居場所を指します。
息抜きやリフレッシュができて自分らしい時間を過ごすことのできる場所とされており、カフェや公園がこれに該当します。
ここに百貨店が食い込めるかどうかは、店舗設計だけでなく、空間設計や飲食店の拡充が必要となるでしょう。
今回は多くの店舗が閉店を続ける中、あえて地方へ小型店舗で勝負を仕掛ける百貨店についてご紹介しました。
「行けば何でも揃っている」という従来のスタイルを見直し、厳選されたラインナップを揃え、基幹店とビデオ会議システムでつなぐことで変わらないサービスの提供が可能です。
地方の富裕層需要は小さくなく、今後も出店は続くと予想されます。

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